にしだわたる糖尿病内科 院長 西田亙先生をお招きし、本会会員と歯科医師若手会会員とスタッフ限定で研修会を開催いたしました。コロナ禍の中、多くの研修会がオンライン開催となっており、本会が鹿児島県委託事業で行っている糖尿病重症化予防に係る歯科保健事業の研修会においても、西田先生にはこれまでに2回オンラインにてご講演いただきましたが、今回初めて鹿児島にお越しいただき、直接お話をいただける機会を設けることができました。
講習会では、糖尿病診療ガイドラインに記載されている糖尿病と歯周病について歯周治療がもたらす効果についてお話しいただきました。
「歯周治療は口腔内の炎症状態の改善や歯の保存に明らかな効果があるだけでなくHba1cを低下させる効果を有し、副作用がほとんどない」ということなど、歯周病のある糖尿病患者さんへの歯周基本治療の重要性を再度確認することができました。
先生から私たち歯科衛生士へのご助言として、衛生士は口腔衛生士指導を行う際にどうしても「できていない」ところに目が行きプラークの付着箇所を注目しがちですが、「良いところ」を見つけてまず褒める。そして改善点を患者に伝える。このようにして患者さんの行動変容を起こすことができれば、継続したプラークコントロールが行えると学びました。
また、患者さんからの信頼を得ることで、「この衛生士さんにずっと見てほしい」と思ってもらえる存在になることが大切であるとお話しくださいました。そうすることができれば、その患者さんには永続的に来院いただけるのだと考えました。
そして何より歯科衛生士の仕事は、ただ単に口腔内を清潔に保つことが目的ではなく、「炎症を消退」させることが私たちの仕事であるとお教えいただき、自分たちの仕事の目的を改めて感じることができました。